障がい者グループホームでのトラブルとは・・・?/開業時編②

『開業前のトラブルは絶対に避けたいと思いますよね。』と前回書きました。『行政のプレッシャーについて、近隣や貸主について、不動産屋さんについて』から事業責任者の心持に及んだお話でした。今回はNO,2との事なのでそれ以外の事についての僕の経験や対応を読者の皆さんの参考にしていただいて組織のマネージメントの精神的負担を少し軽くして頂いきその分の余裕を日々利用者さんへの支援に生かしていただけると嬉しく思います。

このように思っている人に読んでほしいと思っています。
  • 法人の開業は初めてで実際に何をしていいかわからない、どうしよう!!

  • 税理士から開業資金を調達サポートしてもらったけど、7,8年で返せるかどうかわからない!すぐに黒字経営できると思ったけどできそうにない!!

  • 人を雇う時、ちゃんとしないと労基に駆け込まれて大変なことになると聞いた!社労士と契約するべきか、どうしたらいいのかわからない!!

税理士は必要不可欠。でも毎年同じ。パターンを覚えれば顧問契約は必要でないかも。


開業ははっきり言って簡単です。合同会社か株式会社を選択して後は税理士に指示通りに法務局に行って手続きすれば問題なくできます。コンサルタントも同じことを言うと思います。

でも、実際はすごく不安でした。多分読者の皆さんも同じではないにしろ感じた事はあると思います。

税金?記帳?雇用保険?協会けんぽ?どうしたらいいの?全然わからない?僕は税理士の役割も社会保険労務士の役割もわかったような気がしていただけで実際は何から手を付けたらよいかわかりませんでした。

それまでは個人事業主だったので記帳自体はしなければいけないということはわかっていても仕方もわからず、ネットで検索すればするほど不安が増していきました。

税理士は知ってか知らずか不安がっている僕に寄り添った態度は見せず逆に溺れる犬でも見るかのようにただ指示するだけで不信感しかなかったです。

税理士に何を質問してよいかもわからない状態の時に紹介されたのがクラウド会計ソフト「マネーフォワード」でした。

すべての仕事を僕がしないといけないので利用者さんと関わらないバックグラウンドの仕事は誰にも言えないし相談できない。

でもわからないことだらけだったので税理士には『何もわからないので教えてください。よろしくお願いします。』と心では違うことを思いながらマネーフォワードを攻略すべきと思い取り組みました。

しかしながら前に使っていた弥生会計『青色申告弥生会計』の経験も踏まえると意外とできていくもので、数か月もしないうちに記帳仕分けと給与関係、月次管理までも完ぺきではないまでも落ち着いて取り組むことができました。

『マネーフォワード』は本当に優秀です。最初に取り組んで正解でした。税理士とは顧問契約をしていますが毎月何回も打ち合わせが必要な事はなくなってきています。

また僕の会社は4月末決算なので税理士関係でのスケジュール感で言うと・・・

  • 毎月10日までに前月の経費記帳

  • 4月末にその年度の経費記帳終了

  • 5月に法人確定申告

  • 6月に法人確定申告書発行及び源泉納付(法人税、法人府市民税)

  • 11月に年末調整手続き(保険等控除、扶養控除申告書など)

  • 12月源泉納付(所得税預り金支払い)や源泉徴収票発行                                  

が基本的な流れで進んでいます。4年目になると大体の事は今までに経験しているのでそれを下敷きにして進めています。

コロナ関係の助成金や給付金などでいろいろと聞くことがあるので顧問契約をしていますが今では決算だけをお願いしても問題はないかなと思うまでになりました。

最初は誰でもわからないことがあります。まずは目の前の事からコツコツと進めていけば必ず落ち着く時が来ます。安心して頑張りましょう。

開業時の資金調達先は政策金融公庫ですか?


僕は政策金融公庫で創業融資で資金を調達しました。コンサルタントからもセミナーの中で公庫からの融資は結構借りやすいなどの話があったからです。

実際には開業支援+創業融資支援を合わせたサービスをしていた税理士会計事務所に依頼しました。絶対に失敗できない挑戦をしていると思っていたからです。

他でも書きましたが、家族のため(と言いながら自分の為)にとすでにコンサルタントとの契約に100万円を一部借金をして取り組んでいたからです。

その借金は子供の学資保険から取り崩して突っ込んでいました。ひどい父親ですね。それだけに会社設立(合同会社)、公庫の融資は是が非でも成功しないといけない壁でした。

今思うとそれさえこなせれば成功された未来があると本気で考えていました。
本当に先を見通す感覚がなくてバカだなと思いますが、それはまた別のお話です。

政策金融公庫の創業融資での書類では税理士がサポートしてくれたので特に難しい部分はなかったものの考えてのが創業計画書でした。

そこはコンサルタントにセミナーで教えてもらったことを思い返しながら丁寧に書いていくという感じで進めましたが、創業の動機や裏付けの数字などは面談でもしっかりと聞かれるので頭に叩き込んでおいた方が伝わりやすいと思います。

面談を抜けると合格までは少し時間がかかり、結構ドキドキしましたがすんなりと行けたように思います。でも1000万円融資を受けられたといってもものの数か月もすると見る見る間に溶けていくような感覚になっていきました。

もしそのように感じてプレッシャーで押しつぶされそうならこう考えることもできます。『創業融資は事業主責任は問われない。最悪廃業しても無い袖は振れないと言っても構わない!』と。これは税理士からも言われました。

チャレンジしても失敗することもあれば成功することもある。物事に絶対はないのでダメと思ったら大変つらいですが早く辞めて次を目指すことで家族にもっと大きな負担を感じさせないのも一つの手だともいえると思います。

常勤換算の必要人員と労働基準法は完全にリンクはしていませんよ。


『障がい者グループホーム=共同生活援助』は国の許認可事業です。当然ルールはあり、なかなかの厳しさともいえます。

その中に労働基準法で言う『労働者の労働時間のMAXは週40時間』というのがあります。それ自体はどこもそうだと思います。普通の仕事で言うと1日8時間、週5日というと正社員(常勤)での雇用と考えてしまいますが、この事業は常勤は求められても必ず正社員にする必要は求められていません。

障害福祉で言うと常勤換算と言いますが、利用者の人数によって各職員が仕事する時間数が決まっています。その際、正社員であろうがパートであろうが求められておりません。

では正社員とパートの違いは何でしょうか?社会保険でしょうか?それとも給料でしょうか?福利厚生?各種手当?それもありますが違います。

一番の違いは雇用期間の違いと言えます。正社員には雇用期間の縛りはありません。せいぜい定年の年齢ぐらいです。

しかし社会保険は雇ったときに交わす契約書または労働条件通知書には正社員でもパートでも労働時間(主に週あたり)数によって加入しないといけない各種保険というのは決まっています。

<strong><span class="has-medium-font-size">ちくわ</span></strong>

ちくわ

社会保険とは、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つの保険の総称です

僕の会社では僕以外は全員パート(短期間労働者)でお願いしており、3か月更新でさせていただいております。ちなみに僕は役員で労働基準法で守られていません

雇用した方の中には面接ではわからないその方の本質が利用者さん(もしくは会社の考え方)のリズムに合わないものが見えてきます。

果たしてそのような方に仕事を続けていただかないといけないものでしょうか?僕の経験では利用者さんがホームから離れていきます。

他の利用者さんに迷惑をかける前に退場していただかないといけない場面の出てくると思います。その場合には僕は今までに配慮してきたことをしっかり伝えてそれでも改善しなかったことを言って契約更新をできない旨を理解していただくように働きかけます。

正社員では本人の権限(労働基準法の縛り)が強くてそれができません。それも本人が原因でもできません。

だから僕はその形で雇用をさせていただきます。それも会社を利用者を守る事業責任者の大きな仕事の一つだと思います。

まとめ

  • お金がない所でも心配は尽きません。ネットで検索をかけても心配事は解決する数より増える数の方が多くなりますよね。まず目の前の事からしていきましょう。障がい者グループホーム経営以外の事で必要な税務、労務、会計処理(記帳)をすることからしていきましょう。

  • 『お金を借りたら返すのは当たり前』と思いますよね。当然の事です。でも政策金融公庫で創業融資を進めてるのには意味があります。もしも最悪廃業しても事業者責任は問われないからです。『腹を括ってやってみ』と言ってくれてると思えば前を向くしかないと思えてきますから大丈夫です。

  • 正社員が必要でしょうか?僕には必要と思えません。週40時間労働(常勤)すると正社員でしょうか?そんなことはありません。パートさんで大丈夫です。夜勤のあるつらい仕事だけに『やめたいと言われたくない。』と思って職員さんに言わないといけない事まで我慢するのは違います。職員さんは自分の考えで仕事を選んでいます。そこまで信用しても大丈夫です。ダメならまた雇えばいいだけの話です。

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