障がい者グループホームの管理者とはどんな仕事内容なの?利用者さんとのかかわりとは・・・?

現在僕のホームでは「軽度障がい者グループホーム女性専用棟」を2棟運営させていただいております。重度でも軽度でも関係なく管理者と利用者さんの関わりは大事ですが女性棟という意味で言うと大きな役割があると思います。男性棟にないこだわりや配慮などを事例も併せてお伝えさせていただきたいと思います。

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このように思っている方に読んでほしいと思います。
  • 女性の方が男性よりややこしいの・・・?
  • 女性特有のこだわりってどのようなものだろうか・・・?
  • 管理者がしないといけない配慮って生理ぐらいでしょ!

管理者の仕事とは・・・?

管理者についてどのような仕事があるかまとめてみたいと思います。

  • サビ管、職員の指揮管理業務(虐待、人権擁護、シフト管理を含む書類整備)
  • ホームにかかわる経費、利用料一式の管理
  • 各関係機関との連絡調整
  • 利用者の安全管理(健康、施設、食品衛生等の管理業務)
  • 防犯、防災等を含む運営管理業務
  • 利用者・家族に対する相談支援業務
  • 利用者候補への広報活動

以上が大きく分けた管理者の業務になります。さらに各項目ごとに細かい業務があると思います。この中でも日ごろから大切な業務として書類の整備になります。毎日の事なので未経験の方を雇用した時にはしっかりと見ていかなくてはなりません。どんなことでも記録に残していかなければ見返した時だけでなく監査があると数年前の記録を確認しないといけないので大変です。管理者さんはまさしくホーム全体のリスクマネージメントをつかさどるので誰でもなれるわけではないと思います。例えば職員は基本的に一人で数名以上の利用者さんに対応しているので時として迷います。どのように支援すればよいか、どのような会話(返事)が良いか、対応はどのようにすればよいかなど考える間もなく言葉にしなければなりません。職員が孤独に感じる時があると急に退社することもあります。それを気づかないふりをするのが多くの・・・とは言いませんがオーナーと言われる方たちの素養だと思います。気づいていても『コンサルタントに聞いてみなさい。』とだけ言ってあとは管理者任せになってしまう悲しいオーナーもいるので管理者とは大変ですよね。空いた穴は管理者任せ、もしくは他の従順な世話人にしわ寄せせざるを得ない状況になるのはまだいい方と言っている大変経験のある管理者も知っています。管理者には経験と知識を覆せるほどの度胸と図太さがないと務まらないかもしれませんね。そうでないと管理者はすぐにつぶれてしまうかもしれません。ちなみに僕のホームでは実は僕の嫁が管理者をしております。それはいろんな理由でそうなってしまいました。そのことは別の機会にお話ししたいと思います。最初、僕がサービス管理責任者と管理者を兼務しておりましたが2棟目が満床になった時点で分けました。もともと僕がしたかったホームはしっかり稼げて利用者さんが自分なりに生活できる『軽度障がい者グループホーム女性専用棟』を目指していましたが1棟目ですぐに断念しました。単純に言うと利用者さんは自分なりができません。自分一人では生活できないのに自分の嫌な事やしたくない事は基本拒否したがるのです。そのような特性のある利用者さんが多かったのです。上記に出てきたオーナーさんと同じ手法では自分がなけなしのお金と融資してもらったお金はすべて捨ててしまう可能性があったのです。だからこそ僕はまずは利用者さんをしっかり支援できるホームを作ることに専念しました。それからはまだ管理者にはなっていませんでしたが嫁さんとはホームで誰にも聞こえないように言い合い、家でも大声での言い合いや喧嘩にほとほと疲れ果てた頃にようやく職員も利用者さんも落ち着いてきたように思います。僕自身は今でもうまくできているかどうかわかりませんが嫁には大変な仕事を文句や小言を嫌というほどよく言いますが頑張ってこなしていただけております。まさしく嫁には『経験と知識を覆せるほどの度胸と図太さとさらにやりきる覚悟』があったので務まったのかもしれませんね。                       

女性棟での管理者の立場とは・・・?

僕のホームでは女性の管理者を置いています。年齢で言うと50歳ぐらいです。2児の母親です。管理者の仕事内容は簡単に説明すると、事業所を統括することで職員の管理、利用者の申込みに係る調整、事業所の職員に対し遵守させるため必要な指揮命令を行うことが主な仕事です。なので利用者さんとの支援の方向性は基本サービス管理責任者の仕事と別れています。でも職員の管理の部分で利用者さんの相談相手になるのは最初は世話人さんの仕事になります。僕のホームで多い相談内容は多岐にわたっていて平たく言うと「〇〇さんのここが嫌いなので何とかしてほしい。」「作業所で〇〇なことがあったので何とかしてほしい。」「彼氏が欲しい。」「〇〇病院がやぶ医者なので違うところに連れて行ったほしい。」などなどは解決できる方で「他の利用者さんが男性と付き合っているが男性恐怖症と言っていたのにおかしい。」「ボランティアさんの事が好きになったので何とかして欲しい。」などどう解決してよいかわからないことまであります。世話人さんが一生懸命何とかしようと1時間話しても泣きじゃくって動かなくなる利用者さんにどう対応してよいか世話人さんはわかりません。頑張って話したことが別の世話人さんや他の事業所にはあの世話人さんがこんなこと言っていたと言って「あの人(1時間話した世話人)がこんなこと言ったから私がおかしいと言われている。」とわからない論理で世話人を口撃してくる利用者さんもいます。その場合管理者とサービス管理責任者が世話人さんに利用者対応の方針を指導します。でも僕のホームでは最初に管理者が女性なので利用者さんと世話人の間をつなぐ役割も担っています。グループホームの方針として「自己発信」と「相手を受け入れる心を持つ事」を最初のアセスメントでお話して入居に至るようにします。その際は管理者とサービス管理責任者が同伴して聞き取り及び説明、同意を促しております。女性ならずともその方針は絶対と言っていいほど曲げてはならない部分だと思います。管理者の仕事に職員の管理がありますが世話人は利用者すべてに同様のお世話の提供が原則です。つまり1人にだけに特別扱いはできないですしする時間はないはずです。そういった部分で管理者は世話人さんの過度なかわいがり(物を与えれば世話人の私の言う通りになるという勘違いや不適切な支援)を抑制し利用者さんの成長を促します。この部分で女性の利用者さんに多い「私だけを特別扱いしてかまってほしい❕」という特性に耐性がない世話人さんがプレッシャーに感じる部分を軽くするための仕事が大変難しい仕事の一つになると思います。

女性棟で利用者が望む管理者の対応とは・・・?

では僕のホームで利用者さんが望むことは何でしょう?利用者さんがホームに対する希望の中で多いのが『携帯電話を自分で管理したい』です。その次に多いのが利用者さん同士のトラブルにもつながりますが『他の利用者さんが迷惑行為をするので何とかして欲しい。』です。その事を聞いた世話人さんは『世話人の私には分からないので管理者さんに相談しますか?』と言って管理者に話を振ってきます。世話人さんにはもともと『相談には乗ってあげても解決はできません。解決できるのは聞いてあげることで落ち着きを得る程度の事です。それ以上は世話人さんの持っている何とかしてあげたい気持ちを揺さぶって自分(利用者さん)の方を見てもらおうとする特性がわかっていないと世話人さんがつぶれます。』と言っています。それで退職した職員は何人もいているからです。世話人さんから連絡を受けた管理者はどのような対応をするのでしょうか?何度も言って申し訳ないのですが僕のホームでの基本的な対応は『仕事が一番大事です。仕事に差しさわりのあることは賛成できかねます。嫌な事があるのなら自分で思っていることを相手に行ってください。』です。もちろんいろんな言い回しやタイミングなどもありますが、自己発信と相手を受け入れる気持ちを持つことをずっと言っています。そのあたりはそれぞれのホームさんでノウハウとなっていると思います。もしくは利用者さんの要望をなんでも受け入れる施設さんもあります。どちらを選ぶかは経営責任者の判断だと思います。僕のホームでは前者です。利用者さん本人がその時の気持ちのままに動けばいずれは仕事なんて行けなくなります。自分の気に入った環境でしか生活できないのであれば共同生活自体継続できないと思います。結果利用者さんの目標には手が届かない状態になって後悔するのは本人だと思います。今すぐに目標達成なんて無理なのはわかっています。なので僕たち支援する立場の人間が本人の特性に応じて目標を立てたときの本人に代わって励ましたり時には諭す言葉を選んだりと気付かせてあげないと希望をもって目標を立てた時の彼女たちに申し訳ないと思うのです。

まとめ

  • 結局は管理者が利用者さんの特性を見ぬく目の柔軟さが職員の精神的負担が少なくなる事につながる。
  • 決して折れない気持ちを持つことは大事だが管理者にこそ休息と相談相手が必要になる。
  • 軽度の女性障がい者にも精神や知的ましてや両方あわせもちそれぞれ絡み合う性格の持ち主が管理者の言う通りには動きません。経営責任者は管理者を信頼しているなら管理者に退去の権限を与えないとホームはいつか無秩序になりますよ。
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